近年、熱中症での救急搬送者数は増加しています。
また、2025年6月1日から職場における熱中症対策を労働安全衛生規則改正により罰則付きで義務付けられ、対策実施は急務であると言えます。
そこで、暑さがより厳しくなる梅雨明けを前に、職場で行われている暑さ・熱中症対策の実態調査を実施いたしました。
・気温上昇による職場の暑さがより問題視されている。実施されている暑さ・熱中症対策の有効性を明確にするため、暑熱環境下で働く人を対象にアンケートを実施し分析した。また、企業の対策義務化および酷暑化を受け、2年前に実施した調査からの変化を確認した。
・暑熱環境下で働く283名のうち、81.3%が暑さによって仕事の効率への影響が『ある』。そのうち3人に1人は熱中症を身近に感じたり、暑さによる体調不良により欠勤したりしていると回答。また半数の方が「集中力や判断力の低下」を感じている。
・会社が実施している暑さ・熱中症対策への印象について、78.1%が「実施していない」・「実施しているが不十分」と回答。またそのうちの6割以上が「個人で暑さ対策を追加実施している」。いずれの結果も2023年の調査結果と同水準であった。
・自己負担で追加実施する暑さ対策の内容としては「涼しい下着・インナー」が39.6%と最多。41.2%の方が暑さ対策のために「1万円以上」を自己負担していると回答。
・調査期間:2025年7月8日(火)~7月10日(木)
・調査対象:全国の建設・製造・運送・鉄鋼・電気通信・電気ガス水道等の業務に従事する25~55歳男女計2,208人
うち、企業に勤め、屋内屋外を問わず、夏期もしくは年中暑い環境で働く機会があると回答のあった283名について分析。
※不誠実回答(無意味な自由記述等をしている)は除外
・調査方法:インターネット調査
・調査機関:自社調査
・暑熱環境下で働く283名のうち、81.3%が暑さによって仕事の効率への影響が『ある』。そのうち3人に1人は熱中症を身近に感じたり、暑さによる体調不良により欠勤したりしていると回答。
暑熱環境下で働く283名のうち、81.3%が「暑さによって仕事の効率に影響がある」と回答し、そのうち3人に1人が「熱中症や脱水症状などの体調不良」と「暑さが原因の体調不良による欠勤」を経験されていることが明らかとなりました。
また、半数以上の方が、暑さが原因による「集中力や判断力の低下」を感じていることが分かりました。
暑熱環境下での労働現場では、3人に1人と高い割合で体調不良や欠勤が生じているほか、半数以上の回答があった「集中力や判断力の低下」は、能率の低下だけでなく業務中の転倒や事故に繋がる可能性もあります。そのため、暑熱環境へ適切な対策は、社員の熱中症予防にとどまらない労働安全衛生の確保や、業務の効率化にも寄与するものと考えられます。
・会社が実施している暑さ・熱中症対策への印象について、78.1%が「実施していない」「実施しているが不十分」と回答。また、そのうちの6割以上が「自己負担で暑さ対策を追加実施している」。
会社が実施している暑さ・熱中症対策への印象について、「十分に実施している」という回答は21.9%にとどまり、78.1%は「実施していない(25.4%)」、「実施しているが不十分(52.7%)」と感じていると回答しました。また、そのうち、会社が実施している暑さ・熱中症対策に加えて自己負担で暑さ対策を行っている方が6割以上いることが明らかとなりました。
いずれの結果も、2023年の調査と同じような水準でした。2025年6月1日の労働安全衛生規則改正により、職場における熱中症対策が罰則付きで義務付けられましたが、会社で実施している暑さ・熱中症対策の内容改善は十分な内容に達しておらず、多くの課題が残されていると考えられます。
その他の調査結果はプレスリリース(PRTIMES)をご参照ください。